私は美容師を20年以上やってます。
やだ、もうそんなにやってました?
でも、20代後半に美容師に疑問を持って辞めてしまい、CADというパソコンで仕事をする資格を取って設計会社で2年働いたこともあります。
その2年があったからこそ、また美容師に戻ったんですが。
そんなに長い間美容師やってたらお給料いいんじゃない?って思っちゃいますよね。
それがそうでも無いです(笑)
20年以上前は良かった
私が美容学校に行ってる頃は、就職率100%と言われていました。
今もなのかな?
私は学校紹介で行った就職先の美容室は2週間で辞めてしまいました(笑)
どこでも良かったら、すぐに違う美容室で働けるからです。
なので、すぐ辞めました(笑)
そこで、どこでもいいわけじゃないと学んだわけですが。
アシスタントからの始まり
最初は何もできないので、アシスタントです。
シャンプーしたりブローしたりしてくれる、基本的に若い子たちですね。
今では美容学校でカットも教えてくれるようですが(私たちの頃はカットの授業なんてほとんど無かったです)
実践にはまだまだ程遠い技術力なので、アシスタントから始まります。
それがイヤだ!カットできるもん!という方は、自分でお店を開くしかありません(笑)
この頃は、お給料なんて10万円台前半です。
いまだったら15万円ぐらいあるのかな?
私の初任給は9万円でした(2週間で辞めたお店の後に働いたお店です)
なので、シャンプーする時に「髪が乾燥してるのでトリートメントした方がいいですよ」とか「このシャンプーはとても髪にいいのでおうちでも使った方がいいですよ」とか言ってきます。
そりゃそうです。
トリートメントした方がいいし、美容室のシャンプーは市販と比べもんにならんぐらい良いです。
だって高いですもん。
じゃあトリートメントお願いしますとか、シャンプー買いますとなったとします。
これでアシスタント(スタイリストもですが)のお給料に歩合が付きます。
歩合が10%だと3000円のトリートメントをしてもらえたら300円お給料に付きます。
なので、みんな必死です。
毎回言ってきます(笑)
トリートメントしようかな?と思ったら、是非してあげてください。
昔は先輩たちがなんでもおごってくれた
私がアシスタントをしていたのは、もう20年以上前ですが、この頃はお金が無くて食べる物が無くても、スタイリストさんたちや店長がなんでもおごってくれました。
お財布に小銭しか入ってないことぐらい、先輩方も通ってきた道なのでお見通しです。
なので、営業やレッスン(営業時間が終わってから技術向上のためのレッスンをほとんど毎日してました)が終わってから、先輩が行こかぁってご飯に連れて行ってくれます。
ただ、何が食べたいかは先輩が決めるし、今日はちょっと・・・と断ることはできません(笑)
おかげで、食べたことないものが食べれたり、お酒も強くなりました。
私はいつも先輩に「出世払いやで~」と言われてました。
未だにその先輩におごったことないですけど(・_・;)
20年以上前は、それぐらいアシスタントとスタイリストに差があったし、私も早くスタイリストになろう!というモチベーションにもなりました。
憧れのスタイリストへ
アシスタントの次は、スタイリストの卵ということでジュニアスタイリストになります。
これは、お客様のカットをしますがスタイリストさんのチェックが入ったり、ちょっとカット時間が長くなったりします。
これも誰もが通る道です。
これを経て晴れてスタイリストになれます。
その後は切って切って切りまくります(笑)
いろんなお客様がいらっしゃるので、日々勉強になります。
そして指名が付いたり売上が上がったりすると、お給料に反映されます。
ここからが問題になってきます。
社員、委託社員、派遣社員
美容室という所は、基本的に自営業です。
なので、そこで雇われると社員と言えど福利厚生なんて全くありません。
厚生年金、社会保険、雇用保険・・
すべて無いです。これが普通です。
私は一度OLさんをして株式会社で働いたので、違いはわかってます。
でも知らない美容師も多いので、オーナーも何食わぬ顔で営業します。
社員
これは基本給が決められており、そこに指名で入ったお客様の売上の10%とか、再来された方の売上10%とか歩合が付きます。
この基本給が20万円だと、指名のお客様の売上が100万円で10万円歩合が付くので、お給料が30万円になります。
この売上100万円もお店のメニューの金額設定に関係してきます。
カラーとカットが5000円のお店と1万円のお店では、同じメニューでも100万円売り上げるまでの人数が変わってきます。
あとは役職につけば、その手当が付きます。
店長手当とか教育手当とか、下の子を教える立場だと付くことが多いです。
確定申告しなくても、年末調整はしてくれます。
まぁ税金が引かれるだけですが・・・
そしてお店自体の売上が悪くなってくると、この基本給が下がったりします。
お休みは定休日があれば定休日とあと2日自由にとれるとか、お店によって変わってきます。
委託社員
これは美容室によって様々な契約方法があるので一概には言えませんが、だいたい売上の40%~50%ぐらいがお給料になるかたちです。
1ヶ月の売上が100万円なら40万円~50万円のお給料ですね。
ただ、私が今働いてる店の委託さんたちは1日10時間以上働いてます。
おばはんにはこれは無理です(笑)
そして毎年確定申告を自分でしなければなりません。
これがまためんどくさい(笑)
ただ休みは自由に取れるのがいいですかね?
その分売上が下がってしまいますが。
これは本当にお店によって契約条件が違うので、よく確認した方がいいですね。
1ヶ月の間25日は働かないと50%にはならないとか平気であります。
派遣社員
これは派遣会社に登録して、派遣会社から派遣先に働きに行くかたちです。
派遣はいろんなお仕事でもありますよね。
美容師にもその制度があるということです。
そうなると、派遣会社から日給で1万2~3千円といったところでしょうか。
美容室が増えすぎて価格競争が始まる
今や美容室は、コンビニより多いと言われています。
なのに日本の人口は減っていくのでお客様の取り合いになり、これからは美容室も倒産していくことが増えてくると思います。
既に5店舗あったお店が3店舗になったり、私が以前働いてたお店なんて十数店舗あったのに今は3店舗ぐらいになってます。
お客様の取り合いになった結果、単価を安くしてたくさんのお客様に来てもらおうとなります。
すると美容師たちは、お客様1人に対する料金が安くなるため、その分人数をこなさないとお給料が下がってしまいます。
必然的にお給料が上がらなくなる
そうすると、必死にやっても前ほどはお給料がもらえなくなります。
あとは、単価が高いお店で働いて、少ない人数のお客様を満足するまでサービスを提供していくか
単価の安いお店で流れ作業かのように人数をこなしていくか、その間ぐらいのお店で働くか選択することになります。
そして現在
私が今働いているお店は、オープニングスタッフで入社したのですが、娘もまだ保育園児だったのでパートで時給1000円でした。
その前のお店は時給900円だったので、100円もアップしました!
って、どうですか?
美容師って国家資格なのに時給普通じゃないです?
今は、お店も株式会社になり正社員として雇ってもらえてるので、厚生年金や社会保険、雇用保険も付きました。
ただ、手当等は何もなく、何をどうしても1円も上がりません(笑)
福利厚生があるだけで良しということにしています。
最近は、株式会社になるお店も増えてきたので、福利厚生の部分はだいぶ一般企業と変わらなくなってきました。
でも、まだまだ個人経営のお店も多いですけどね。
あとボーナスなんてのは、この20年もらったことないです。
OLさんの時もらえそうだったのですが、それも不景気を理由になくなりました(笑)
なので、もし娘が美容師になるって言いだしたら、やめときなさいって言うつもりです。
お給料安くてもいいから、髪をさわる仕事がしたいねん!と言われたら、じゃあしょうがないってなるでしょうけど。
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